基本情報技術者 合格のメリット
世間的に認知度の高い国家試験である基本情報技術者試験に合格することで様々なメリットがあると思われます。
1.企業からの高い評価
全社員向けの表彰対象試験や推奨資格として、採用する企業が増えてきています。このように企業内で採用されると合格者に対して一時金が支給されたり、通信講座の受講料を会社が負担してくれるといったように合格までにかけたコストをペイできます。
またIT関連の職に就いた新人が真っ先に会社からとらされるのがこの試験です。組織にとっては国家試験合格者の人数が企業の技術力の高さを示す裏付けにもなりますし、新人にも基本情報技術者試験は特定の分野に偏ることなく幅広いITの知識を身につけさせることができるというわけです。
まさに企業にとって一石二鳥です。
もちろん試験の内容は実務経験がある人にとって有利です。(特に午後試験)しかし仕事としてIT関連に従事しているにも関わらず、この試験に2、3回と落ちてしまう人は社内で問題視されてしまうこともあるようです。
2.質の高い試験
急速に進む情報技術に柔軟に対応し質の高い試験を維持するため、IT現場の第一線で活躍されている専門家や、大学・研究所など高等教育機関に所属されている専門家約400名からなる試験委員が問題を作成しています。 情報処理技術者試験は、特定のOSや機種・ソフトに限った知識が出題されることはほとんど無く、情報学の核心にある基礎的な部分を幅広く習得することが可能です。さらに最新の技術が問題に取り込まれたり、常に時代の変化に対応する試験であるといえます。
3.学校などでの単位認定や推薦などで有利
『基本情報技術者試験』は、『ITパスポート試験』とともに、厚生労働省が創設した『若年者就職基礎能力支援事業"YES-プログラム"』に認定されています。
また情報処理技術者試験全体では、入試優遇制度を利用している学校が258校、単位認定制度を採用している学校が77校あります。
問題は情報処理に関する基本的な知識が主なので、きちんとした勉強と対策さえすれば、高校在学時時にも十分に合格できる試験です。たくさん勉強時間も持てるのは学生のうちしかないので、他の人が遊んでいる間にもせっせと勉強し、合格することができれば後々苦労をしたことが大きな見返りとなって返ってくる可能性があります。
4.さらに上位の資格への登竜門
基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の共通キャリアフレームワークの中でレベル2と位置づけられています。基本情報技術者試験に合格することで、レベル3の応用情報技術者試験、レベル4の各種高度試験への道も開けてくると思います。上位の試験ではさらにレベルの高い知識が求められることもあり、そう簡単ではありませんが、基本情報技術者試験の範囲を深くしたものも多く出題されます。
この試験範囲の知識をしっかり身につけることで上位試験を目指すときの基盤となってくれることでしょう。
5.プログラミングに必要な論理的思考能力が強化される
近年では、2012年の新学習指導要領により、中学校の「技術・家庭」において、従来選択科目であった「プログラムと計測・制御」が必修科目となるなど、初等中等教育段階においてプログラミング教育が推進されています。これはプログラムを作成する上で必要となる論理思考力を鍛えたり、自ら新しいものを生み出す力を育てることで日本の労働生産性を高める目的があります。
基本情報技術者試験を通して、コンピュータの仕組みからIT技術全般、さらに基礎的なプログラミング能力を習得することができるでしょう。
6.自分専用の目的処理を自動化できる
プログラミングには縁がないと思っている人もいるでしょうが、やはり一つのプログラミング言語を扱えるとパソコンをさらに有効に扱えるようになります。例えば表計算ソフトのマクロを扱えるようになったり、HTMLを覚えてホームページを作成したり、Windowsプログラミングを覚えて自分用のユーティリティを作ったりと、本来は手作業で繰り返ししなければいけない様々なことをコンピュータに自動処理させることができるのです。
私はホームページ作成もプログラミングも独学で学んだために、2進数・16進数やビット演算など情報処理の基本部分がおろそかになっていました。この基本情報技術者試験を通して情報処理技術の基本を体系的に学ぶことができ、それが基礎的な力として今でも役に立っていると思っています。