平成23年秋期試験午後問題 問7
問7 システム戦略
販売ルート別の売上及び市場の分析に関する記述を読んで,設問1,2に答えよ。
W社は,ある香辛料の製造販売を行っており,販売ルートは,小売店,量販店,コンビニエンスストア(以下,CVSという),ネット通信販売(以下,ネット通販という),外食,加工食品メーカー(以下,加工という)の6ルートからなる。
W社では,販売戦略上の問題点を把握し,適切な対応を行うことを目的として,販売ルート別の売上及び市場に関する分析を行っている。そのための指標として売上金額,売上数量,売上単価,市場金額規模(以下,市場規模という),市場金額占有率(以下,市場占有率という)を利用している。販売ルート別の指標の前年実績及び当年見込を表1に示す。ここで,各数値は,小数第1位を四捨五入した値である。
W社は,ある香辛料の製造販売を行っており,販売ルートは,小売店,量販店,コンビニエンスストア(以下,CVSという),ネット通信販売(以下,ネット通販という),外食,加工食品メーカー(以下,加工という)の6ルートからなる。
W社では,販売戦略上の問題点を把握し,適切な対応を行うことを目的として,販売ルート別の売上及び市場に関する分析を行っている。そのための指標として売上金額,売上数量,売上単価,市場金額規模(以下,市場規模という),市場金額占有率(以下,市場占有率という)を利用している。販売ルート別の指標の前年実績及び当年見込を表1に示す。ここで,各数値は,小数第1位を四捨五入した値である。
広告
設問1
販売ルート別の分析に関する次の記述及び図中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
当年の販売ルート別の売上及び市場の分析を行うために,表2の説明に従い,図1及び図2のバブルチャートを作成した。ここで,バブルの大きさは,売上金額の当年見込の販売ルート別構成比(以下,当年構成比という)を表す。〔当年売上分析・当年市場分析の結果の考察〕
aは,bが最も小さいが,cが最も高いので,bを高めることで,売上金額の増加が見込まれる。dは,cが最も低いが,売上数量及び市場規模が最も多いので,これを維持した上で,cを高めることができれば,売上金額の増加が見込まれる。
当年の販売ルート別の売上及び市場の分析を行うために,表2の説明に従い,図1及び図2のバブルチャートを作成した。ここで,バブルの大きさは,売上金額の当年見込の販売ルート別構成比(以下,当年構成比という)を表す。〔当年売上分析・当年市場分析の結果の考察〕
aは,bが最も小さいが,cが最も高いので,bを高めることで,売上金額の増加が見込まれる。dは,cが最も低いが,売上数量及び市場規模が最も多いので,これを維持した上で,cを高めることができれば,売上金額の増加が見込まれる。
a,d に関する解答群
- CVS
- 加工
- 外食
- 小売店
- ネット通販
- 量販店
b,c に関する解答群
- 売上金額
- 売上数量
- 売上単価
- 市場規模
- 市場占有率
- 当年構成比
解答選択欄
- a:
- b:
- c:
- d:
- a=ア
- b=オ
- c=ウ
- d=イ
解説
〔a,dについて〕図1,2のバブルチャートのバブルの大きさは、売上金額の当年構成比を表しています。6つの販売ルートを当年の売上金額の大きい順に整列すると「加工>外食>量販店>小売店>CVS>ネット通販」となるため、バブルが最も大きいdは加工、2番目に小さいaはCVSを表していることがわかります。
∴a=ア:CVS
d=イ:加工
〔b,cについて〕
aはCVSと判明したので、表1よりCVSが最も高くなっている指標と最も低くなっている指標を探します。表よりbは市場占有率、cは売上単価とわかります。
∴b=オ:市場占有率
c=ウ:売上単価
広告
設問2
販売ルート別の各指標の前年比分析に関する次の図表中及び記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。ただし,g1,g2及び h1,h2に入れる答えは,それぞれ gに関する解答群 及び hに関する解答群 の中から組合せとして正しいものを選ぶものとする。
売上及び市場に関する各指標の増減傾向を把握し,各販売ルートに対する有効な施策を考えるために,各指標の前年実績に対する当年見込の比率(以下,前年比という)を分析する。表3の説明に従い,図3及び図4のバブルチャートを作成した。ここで,バブルの大きさに指定した前年構成比とは,売上金額の 前年実績の販売ルート別の構成比のことである。〔前年比分析結果の考察〕
市場規模が20%ほど増加しているのに市場占有率が25%ほど減少している販売ルートは,g1であり,競合に対抗するための経営資源の投入が望まれる。売上数量が,25%以上増加している一方,売上単価が低下している販売ルートは,g2であり,今後,値引きを抑える又は高付加価値の商品を投入するなど,売上単価を高めるための施策を検討する。
図3,4から,前年構成比の最も大きい外食の当年見込は,前年に比べて,h1したことが分かる。前年構成比が次に大きい加工の当年見込は,前年に比べて,h2したことが分かる。
売上及び市場に関する各指標の増減傾向を把握し,各販売ルートに対する有効な施策を考えるために,各指標の前年実績に対する当年見込の比率(以下,前年比という)を分析する。表3の説明に従い,図3及び図4のバブルチャートを作成した。ここで,バブルの大きさに指定した前年構成比とは,売上金額の 前年実績の販売ルート別の構成比のことである。〔前年比分析結果の考察〕
市場規模が20%ほど増加しているのに市場占有率が25%ほど減少している販売ルートは,g1であり,競合に対抗するための経営資源の投入が望まれる。売上数量が,25%以上増加している一方,売上単価が低下している販売ルートは,g2であり,今後,値引きを抑える又は高付加価値の商品を投入するなど,売上単価を高めるための施策を検討する。
図3,4から,前年構成比の最も大きい外食の当年見込は,前年に比べて,h1したことが分かる。前年構成比が次に大きい加工の当年見込は,前年に比べて,h2したことが分かる。
e,f に関する解答群
g に関する解答群
h に関する解答群
解答選択欄
- e:
- f:
- g:
- h:
- e=コ
- f=エ
- g=キ
- h=ウ
解説
〔e,fについて〕それぞれの指標の前年比を計算しても良いのですが、すべてを計算するとなると時間が掛かってしまうため売上金額以外の4つの指標について前年比が増加又は減少のどちらになっているかだけを表1に記入していくと次のようになります。まず図3から見ていきます。横軸は「加工」「量販店」「小売店」が前年比増、それ以外が前年比減なので上記の表の分類より市場占有率とわかります。縦軸も同様に「ネット通販」「CVS」「量販店」が前年比増、それ以外が前年比減なので表より市場規模を表していることがわかります。
∴e=コ:横軸=市場占有率前年比-100,縦軸=市場規模前年比-100
次は図4です。横軸は「量販店」「加工」が前年比増、それ以外が前年比減なので上記の表の分類より売上数量とわかります。縦軸も同様に「CVS」「外食」「小売店」「加工」が前年比増、それ以外が前年比減なので表より売上単価を表していることがわかります。
∴f=エ:横軸=売上数量-100,縦軸=売上単価-100〔gについて〕
g1は、市場規模+20%、市場占有率-25%になっている販売ルートです。市場規模と市場占有率が軸となっている図3を見ると該当する販売ルートはネット通販とわかります。次にg2ですが、売上数量と売上単価について言及されているため図4を参照します。図4より売上数量が25%以上増加している販売ルートは量販店のみなので、g2は量販店とわかります。∴g=キ:g1=ネット通販,g2=量販店
〔hについて〕
前年比の増減を記入した表より、「外食」は売上単価のみが増加、それ以外が減少しているとわかります。したがって、解答群のうち適切な記述は「イ」「ウ」「エ」「オ」「ク」「ケ」の6つです。また「加工」については市場規模以外の全てが増加しているため解答群のうち適切な記述は「ア」「ウ」「カ」「キ」「コ」の5つです。
正しい記述の組合せとなっているのは「ウ」のみのため、これが正解となります。∴h=ウ
広告
広告