平成26年秋期試験午後問題 問6

午前試験免除制度対応!基本情報技術者試験のeラーニング【独習ゼミ】

問6 サービスマネジメント

サービスデスクにおける問合せ対応に関する次の記述を読んで,設問1~3に答えよ。

 S社では,販売情報システムを更新する(以下,システム更新という)とともに,自社のサービスデスクを利用して販売情報システムに関する社員からの問合せに対応する。サービスデスクは,社員からの問合せの内容を表1に示す区分に従って分類し,ログインと操作に関する問合せについては自ら回答する。ログインと操作以外の問合せについては,受付日時などの記録を行い,担当部門に引き継ぐ。引継ぎを受けた担当部門は問い合わせた社員に回答するとともに,回答の内容や回答を完了した日時をサービスデスクに報告する。
 問合せの受付日時,回答完了日時,回答内容などについては,サービスデスクが問合せ台帳で管理する。
pm06_1.png
 サービスデスクでは,過去の類似の事例を参考にして,システム更新後1週間の問合せ総数を300,そのうちサービスデスクが回答する問合せ(以下,サービスデスク問合せという)数を90と見積もり,問合せ対応のために臨時に要員を1名増員することにした。過去の類似の事例から,問合せ総数は時間の経過とともになだらかに減少することが分かっているので,1週間の問合せ総数が150以下かつ1週間のサービスデスク問合せ数が30以下になった場合(以下,問合せ数条件という)は,その翌週から要員を1名減らして,元の要員数に戻すことにした。ただし,システム更新後第5週に新機能の追加導入(以下,システム追加導入という)を予定しており,それに伴って第5週の問合せ数が増えると想定されるので,第4週になって初めて問合せ数条件を満たしたとしても第5週は第4週と同じ要員数とし,第5週以降に問合せ数条件を満たした段階でその翌週に元の要員数に戻すことにした。
 また,サービスデスクでは,サービスデスク問合せについては問合せの受付から30分以内で回答を完了することを目標(以下,サービスデスク目標という)とした。

設問1

表2は,システム更新後のある日の午前中にあった販売情報システムに関する問合せを対象に,問合せ台帳から抽出したものである。表2のサービスデスク目標の達成率(サービスデスク目標を達成したサービスデスク問合せ数÷サービスデスク問合せ数)を,解答群の中から選べ。ここで,達成率は小数第3位を四捨五入し,パーセントで表している。
pm06_2.png
解答群
  • 25
  • 33
  • 50
  • 67
  • 75
  • 100
解答選択欄
  •  
  •  

解説

表2に区分、担当部門、回答に要した時間を書き入れると以下のようになります。
pm06a.png
6つの問合せの中でサービスデスク問合せは4件、その内サービスデスク目標である30分以内に回答完了した問合せは3件なので、達成率は(3/4=)75% が適切です。

∴オ:75%

設問2

表3に示すシステム更新後の問合せ数に関する次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。ここで,ログインと操作の行にある下段の括弧内の数字は,ログインと操作の当該週における問合せ数のうち,サービスデスク目標を達成した数である。
pm06_3.png
 システム更新の当初は問合せ数が多かったものの,第4週の問合せ数が第1週と比べて半数以下となった区分は,aである。
 担当部門別に見ると,第4週の問合せ数が最も多いのはbである。
 販売情報システムに関する問合せのためのサービスデスクの要員はc
 また,週別,区分別に計算したサービスデスク目標の達成率は,d
a に関する解答群
  • 操作と販売実績
  • 操作と目標管理
  • 目標管理と販売実績
  • ログインと操作
  • ログインと販売実績
  • ログインと目標管理
b に関する解答群
  • 営業課
  • 企画課
  • サービスデスク
  • システム課
c に関する解答群
  • 第3週から元の要員数に戻している
  • 第4週から元の要員数に戻している
  • 第5週から元の要員数に戻す
  • 第5週も1名増員したままである
d に関する解答群
  • ログイン,操作とも毎週上がっている
  • ログイン,操作とも週によって上がり下がりがある
  • ログインは週によって上がり下がりがあるものの,操作は毎週上がっている
  • ログインは毎週上がっているものの,操作は週によって上がり下がりがある
解答選択欄
  • a:
  • b:
  • c:
  • d:
  • a=
  • b=
  • c=
  • d=

解説

aについて〕
それぞれの区分で第1週に対する第4週の割合を計算すると次のようになります。
pm06b.png
半数以下(50%以下)になっている区分は「ログイン」と「販売実績」です。

a=オ:ログインと販売実績

bについて〕
第4週の問合せ数を担当部門別に集計すると、

[サービスデスク]
ログインと操作→3+20=23件

[システム課]
接続→12件

[企画課]
目標管理→48件

[営業課]
販売実績とその他→4+8=12件

したがって最も問合せ数の多い部門は企画課です。

b=イ:企画課

cについて〕
元の要員数に戻す条件は、「1週間の問合せ総数が150以下かつ1週間のサービスデスク問合せが30以下」です。
各週の問合せ総数とサービスデスク問合せ数は以下の通りとなっています。
pm06c.png
第4週に初めて条件を満たした場合には、第5週も第4週と同じ要員数にするという別個の条件がありましたが、第3週の時点で元の要員数に戻す条件を満たすので、第4週から元の要員数に戻ることになります。

c=イ

dについて〕
"ログイン"と"操作"の問合せに対する達成率を表に書き込むと次のようになります。
pm06d.png
これを見ると"ログイン"の達成率は毎回上昇していますが、"操作"の達成率は毎回まちまちになっています。

d=エ

設問3

次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

 サービスデスクでは,回答を完了するまでに掛かる時間(以下,回答完了時間という)を短縮するために,サービスデスク問合せ以外の問合せで過去に同種の問合せがあった場合は,担当部門に連絡するのではなく,問合せ台帳を基にサービスデスクで 回答すること(以下,サービスデスク改善という)を検討している。表4は,第4週の問合せ数と,そのうちで過去に同種の問合せがあった数を示している。
pm06_4.png
 サービスデスクでは,システム追加導入後の第5週の問合せの状況を次のように仮定した。
  • 第5週の操作,目標管理及び販売実績に区分される問合せ数は第4週の25%増である。
  • 第5週のログイン,接続及びその他に区分される問合せ数は第4週と同数である。
  • 過去に同種の問合せがあった数の割合は第5週と第4週で同じである。
  • サービスデスク改善によって,サービスデスクで回答することになる問合せについて,1件当たりの回答完了時間を平均10分短縮できる。
 このとき,第5週の想定される問合せ総数はeであり,第5週の回答完了時間はサービスデスク改善によってf分短縮できる。
 サービスデスクでは,よくある問合せとその解決策をFAQとして整備し,社員に対して利用を推奨することにした。第5週に想定される過去と同種の問合せの50%がFAQの対象として整備されたものに該当し,さらにFAQとして整備されたものは問合せ数が50%に減らせると仮定すると,FAQの利用によって第5週の問合せ総数のうち,減らせる数はgであると想定できる。
e に関する解答群
  • 95
  • 108
  • 111
  • 113
  • 116
  • 119
f に関する解答群
  • 320
  • 330
  • 400
  • 470
  • 480
  • 500
g に関する解答群
  • 8
  • 12
  • 16
  • 24
  • 32
  • 48
解答選択欄
  • e:
  • f:
  • g:
  • e=
  • f=
  • g=

解説

eについて〕
第5週の問合せ数は第4週を基準に操作、目標管理、販売実績が25%増し、ログイン、接続、その他が同数です。
pm06e.png
したがって第5週の問合せ数は113件です。

e=エ:113

fについて〕
サービスデスク改善は、サービスデスク問合せ以外の問合せで過去に同種の問合せがあったときに、担当部署に連絡することなく過去の台帳をもとにサービスデスクで回答を行うことで10分/1件の時間短縮が可能というものでした。

過去に同種の問合せがあった数の割合は第5週と第4集で同じなので、第4週の割合と前述の第5週の問合せ数から以下のように計算することができます。
pm06f.png
サービスデスク改善の対象となるのは、

 5+20+5+2=32件

1件につき10分の短縮が可能なので、第5週の回答短縮時間は320分になります。

f=ア:320

gについて〕
過去の同種の問合せのうち50%がFAQとして整備されたものに該当し、FAQを整備されたものは問合せ数が50%に減ります。

先程の表から第5週における過去に同種の問合せがあった数の合計は48件とわかります。48件の半数にあたる24件がFAQとして整備され、その24件については問合せ数が半数に減るので、FAQの整備によって減らせる問合せ数は12件が適切です。

g=イ:12

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