令和6年試験問題 [科目A]問7
問7解説へ
DBMSに実装すべき原子性(atomicity)を説明したものはどれか。
- 同一データベースに対する同一処理は,何度実行しても結果は同じである。
- トランザクション完了後にハードウェア障害が発生しても,更新されたデータベースの内容は保証される。
- トランザクション内の処理は,全てが実行されるか,全てが取り消されるかのいずれかである。
- 一つのトランザクションの処理結果は,他のトランザクション処理の影響を受けない。
正解 ウ問題へ
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解説
データベースのトランザクション処理には、4つの必要不可欠な特性(原子性・一貫性・独立性・永続性)があり、これらはまとめてACID特性と呼ばれます。ACID特性は、データの一貫性と信頼性を確保するためのものであり、DBMSによって提供されます。各特性の意味は以下のとおりです。
- 原子性(Atomicity)
- トランザクション内の処理がすべて実行されるか、または全く実行されないことを保証する特性。トランザクションはコミットまたはロールバックのいずれかで終了することで確保する
- 一貫性(Consistency)
- トランザクションによりデータの矛盾が生じないこと。常にデータベースの整合性が保たれていることを保証する特性。データ型や制約によって確保する
- 独立性(Isolation)
- 複数のトランザクションを並列に実行した場合と、順番に実行した場合の結果が等しくなることを保証する特性。ロックやスケジューリングによって確保する。隔離性と呼ばれることもある
- 永続性(Durability)
- 正常終了したトランザクションの結果は、それ以後システムに障害が発生しても失われないことを保証する特性。トランザクションログによって確保する。耐久性と呼ばれることもある
- 何回実行しても同じ結果となる性質をべき等性(Idempotent)といいます。ACID特性には直接含まれませんが、一貫性に関連する性質と言えます。
- 永続性の説明です。
- 正しい。原子性は、トランザクションが原子のように不可分であることを保証する特性です。トランザクションは部分的に実行されることはなく、すべての操作が完了するか、すべての操作が元に戻るかのどちらかで終了します。
- 独立性の説明です。
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