平成19年秋期試験問題 午前問64
問64解説へ
公開鍵暗号方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- AESは,NISTが公募した公開鍵暗号方式である。
- RSAは,素因数分解の計算の困難さを利用した公開鍵暗号方式である。
- 公開鍵暗号方式に参加する利用者の数が増えると鍵の配送が煩雑になる。
- 通信文の内容の秘匿に公開鍵暗号方式を使用する場合は,受信者の復号鍵を公開する。
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解説
- AES(Advanced Encryption Standard)は、米国政府標準暗号として2000年に規格化された共通鍵暗号方式です。NIST(米国国立標準技術研究所)の公募によって選出されたRijndael(ラインダール)という暗号アルゴリズムが元になっています。
旧国家暗号規格のDES(Data Encryption Standard)では鍵長が56ビットであったのに対して、AESでは鍵長が最大256ビットとなるなど暗号強度が高められています。 - 正しい。RSAは、Rives、Shamir、Adlemanの3名によって提案された公開鍵暗号方式であり、3名の頭文字を取ってRSAと命名されました。「桁数が大きい合成数の素因数分解が困難である」という数学的性質を安全性の根拠としています。
- 公開鍵暗号方式は、公開鍵を誰でも取得できるようにすることで、鍵の配送を不要にしています。このため、利用者が増えても鍵配送の煩雑さは増えません。
- 公開鍵暗号方式による暗号化通信では、受信者の公開鍵を使用して通信内容を暗号化します。したがって、公開しておくのは受信者の公開鍵(暗号化鍵)です。復号鍵は所有者が秘密として管理しなければなりません。暗号化して送信することは誰でもできますが、復号できるのは秘密鍵の所有者に限られるため、通信の秘匿が確保されています。
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