平成30年春期試験午後問題　問2(ハードウェア)

平成30年春期試験午後問題　問2

論理回路に関する次の記述を読んで，設問1～3に答えよ。

主要な論理演算の真理値表を表1に示す。

表1に示した論理演算を行う論理回路を用いて，表2に示すXOR(排他的論理和)の論理演算を行う論理回路を図1のとおり作成した。図1中の　に入れる正しい答えを，解答群の中から選べ。

a に関する解答群

解答選択欄

解説

図1の回路図における、2つの入力の組合せとNAND回路及びaの出力、そして全体の出力の関係を整理すると下図のようになります。

NAND回路とaの出力は、それに続くAND回路の入力となります。NAND回路からの出力と、AND回路の「2つの入力が両方とも"1"のときにだけ"1"を出力する」という特徴を踏まえれば、入力と出力の関係を満たすためにaの出力の1行目には"0"が、2、3行目には"1"が入ることが確定します。

選択肢の4つの論理回路のうち、真理値表の上3行がaの出力と一致するのはOR回路しかありません。したがってaには「OR」が入ります。

∴a＝エ：OR

1桁の2進数X，Yを入力して，その和の下位桁をZ，桁上がりをCに出力する半加算器の論理回路を図2に示す。図2中の　に入れる正しい答えを，解答群の中から選べ。

b，c に関する解答群

解答選択欄

解説

半加算器における、2つの入力値及び出力Cと出力Zの関係を図示すると以下のようになります。

〔bについて〕
出力Zは下位桁を表すビットです。2つの入力値と出力Zの間には以下の関係があります。

この真理値表はXORのそれと一致します。したがってbには「XOR」が入ります。

∴b＝オ：XOR

〔cについて〕
出力Cは桁上がりを表すビットです。2つの入力値と出力Cの間には以下の関係があります。

この真理値表はANDのそれと一致します。したがってcには「AND」が入ります。

∴c＝ア：AND

論理回路に関する次の記述中の　に入れる正しい答えを，解答群の中から選べ。

　この論理回路は，1ビットの入力 X，Y をそれぞれパラメータ Wx，Wy で重み付けして加算した結果を求め，パラメータ T をしきい値として，次のとおりに動作する。

　例えば，パラメータ Wx が 0.5，Wyが 0.5，T が 0.3(以下，パラメータ〔0.5，0.5，0.3〕のように表記する)の場合には，表3に示すとおり，この論理回路における入力と出力の関係(以下，入出力関係という)はOR(論理和)になる。

同様に，

d，e に関する解答群

解答選択欄

解説

各パラメータを使用して図3と同様に計算していきます。重みのパラメータ(WxとWy)の組合せは2種類しかありませんので、まずそれぞれの「Wx×X＋Wy×Wy」を計算してから、しきい値Tの違いによる出力値の変化を見極める方法が良さそうです。

[重みパラメータが〔－0.5，－0.5，□〕]

[重みパラメータが〔0.5，0.5，□〕]

∴d＝オ：〔0.5，0.5，0.8〕
　e＝ア：〔－0.5，－0.5，－0.8〕