平成14年秋期試験問題 午前問72
問72解説へ
セキュリティ技術に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 地震や火災に対しては,フォールトトレラント方式のコンピュータによるシステムの二重化が有効である。
- データの物理的な盗難や破壊に対しては,ディスクアレイシステムやファイアウォールが有効である。
- 伝送中のデータへの不正アクセスに対しては,HDLCプロトコルのCRC方式が有効である。
- メッセージの改ざんやなりすましによる不正アクセスに対しては,公開かぎ暗号方式を応用したデジタル署名が有効である。
正解 エ問題へ
広告
解説
- フォールトトレラントシステムとは、システムの一部に障害が発生しても全体としては停止することなく稼働を続け、その間に復旧を図るような設計となっているシステムです。これを実現するには各機器を二重構成にし、障害発生時には機器の切替えを即座に行えるシステム設計であることが条件となります。
ただし、地震や火災などの自然災害にはフォールトトレラントシステムでは対応できません。こうした脅威に対しては、地理的にシステムを分散させる必要があります。 - ディスクアレイシステムとは、複数のハードディスクを並列にして1つの記憶装置のように制御する方式で、信頼性の向上と処理の高速化を目的としたものです。
ファイアウォールとは、外部からの不正アクセスを防ぐ仕組みです。
どちらもデータの物理的な盗難や破壊に対して有効とは言えません。 - HDLCプロトコル(High-Level Data Link Control)とは、OSI基本参照モデルのデータリンク層のプロトコルで高効率・高信頼性を目指した伝送制御手順の一種です。同期制御に任意のビットパターンを連続して送信可能なフラグ同期方式を採用し、パリティチェックでは検出できないバースト誤りも検出可能であるCRC方式を採用しています。
CRC(Cyclic Redundancy Check)とは、誤り検出の方式です。
どちらもセキュリティとは関係がありません。 - 正しい。デジタル署名とは、公開鍵暗号方式を使って通信内容が改ざんされていないことを保証する技術です。
広告