ソフトウェア方式設計・詳細設計 (全58問中28問目)

No.28

モジュール設計書を基にモジュール強度を評価した。適切な評価はどれか。

〔モジュール設計書(抜粋)〕
上位モジュールから渡される処理コードに対応した処理をする。処理コードが"I"のときは挿入処理,処理コードが"U"のときは更新処理,処理コードが"D"のときは削除処理である。
  • これは"暗合的強度"のモジュールである。モジュール内の機能間に特別な関係はなく,むしろ他のモジュールとの強い関係性をもつ可能性が高いので,モジュール分割をやり直した方がよい。
  • これは"情報的強度"のモジュールである。同ーの情報を扱う複数の機能を,一つのモジュールにまとめている。モジュール内に各処理の入口点を設けているので,制御の結びつきがなく,これ以上のモジュール分割は不要である。
  • これは"連絡的強度"のモジュールである。モジュール内でデータの受渡し又は参照を行いながら,複数の機能を逐次的に実行している。再度見直しを図り,必要に応じて更にモジュール分割を行った方がよい。
  • これは"論理的強度"のモジュールである。関連した幾つかの機能を含み,パラメータによっていずれかの機能を選択して実行している。現状では大きな問題となっていないとしても,仕様変更に伴うパラメータの変更による影響を最小限に抑えるために,機能ごとにモジュールを分割するか,機能ごとの入口点を設ける方がよい。

分類

テクノロジ系 » システム開発技術 » ソフトウェア方式設計・詳細設計

正解

解説

モジュール強度とは、モジュール内部の関連性の強さを表し、暗合的強度から機能的強度までの7種類があります。
暗合的強度(低)
関係のない機能をまとめたモジュール
論理的強度
関連する複数の機能をまとめたモジュール
時間的強度
プログラムの開始時など、ある特定の時期に実行する機能をまとめたモジュール
手順的強度
関連ある逐次的な機能をまとめたモジュール
連絡的強度
関連ある逐次的な機能で要素が連絡し合うものをまとめたモジュール
情報的強度
同じデータ構造や資源を扱う機能を一つにまとめたモジュール
機能的強度(高)
一つの機能を実現するためだけのモジュール
モジュール強度が高いほど、他の影響を受けにくくなるので再利用や拡張がしやすくなり、逆にモジュール強度が低いほど修正を行ったときに影響を受けやすくなります。

このモジュール設計書では、1つのモジュールに挿入処理,更新処理,削除処理を行う機能を含み処理コード(パラメータ)によって機能を選択して実行しています。この3つの機能は上位モジュールのデータに対していずれか処理を行うという意味で関連性があるため、モジュール強度は「論理的強度」となります。
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