開発プロセス・手法 (全37問中37問目)
No.37
ウォーターフォール型のソフトウェア開発において,運用テストで発見された誤りの修復に要するコストに関する記述として,最も適切なものはどれか。
出典:平成16年春期 問56
- 外部設計及び内部設計の誤りは,プログラムだけでなく,マニュアルなどにも影響を与えるので,コーディングの誤りに比べて修復コストは高い。
- コーディングの誤りは,修復のための作業範囲がその後の全行程に及ぶので,要求定義の誤りに比べて修復コストは高い。
- テストケースの誤りは,テストケースの修正とテストのやり直しだけでは済まされないことが多いので,外部設計及び内部設計の誤りに比べて修復コストは高い。
- 要求定義の誤りは,設計レビューによってほとんど除去できるので,もし発見されても,コーディングの誤りに比べて修復コストは低い。
- [出題歴]
- 基本情報技術者 H23特別 問53
分類
テクノロジ系 » ソフトウェア開発管理技術 » 開発プロセス・手法
正解
ア
解説
ウォーターフォールモデルは、開発プロジェクトを時系列に、「要求定義」「外部設計(概要設計)」「内部設計(詳細設計)」「開発(プログラミング)」「テスト」「運用」などの作業工程(局面、フェーズ)に分割し、原則として前工程が完了しないと次工程に進まない(設計中にプログラミングを開始するなどの並行作業は行わない)事で、前工程の成果物の品質を確保し、前工程への後戻り(手戻り)を最小限にする開発モデルです。
大規模なプロジェクトにおいて進捗を管理しやすいというメリットがありますが、ウォーターフォールモデルは基本的に工程の後戻りを想定していない開発モデルであるため、上流工程での誤りを発見する手順が組み込まれていないこともあります。このような事情から上流工程での誤りは、下流工程にいくにつれて大きなものになっていってしまいます。
つまりウォーターフォールモデルでは、上流工程での誤りであればあるほど、下流工程への影響も大きく修復コストが高くなる傾向にあると言えます。
大規模なプロジェクトにおいて進捗を管理しやすいというメリットがありますが、ウォーターフォールモデルは基本的に工程の後戻りを想定していない開発モデルであるため、上流工程での誤りを発見する手順が組み込まれていないこともあります。このような事情から上流工程での誤りは、下流工程にいくにつれて大きなものになっていってしまいます。
つまりウォーターフォールモデルでは、上流工程での誤りであればあるほど、下流工程への影響も大きく修復コストが高くなる傾向にあると言えます。
- 正しい。
- コーディングの誤りであれば前工程の設計工程への影響はありませんが、要求定義の誤りはその後の全工程に影響するので、修復コストは要求定義での誤りの方が高くなります。
- テストケースの作成は、外部設計、内部設計よりも下流工程です。したがって比較した場合、修復コストは低くなります。
- 「イ」と同様の理由で誤りです。