業務分析・データ利活用 (全119問中54問目)
No.54
ある工場で製品A,Bを生産している。製品Aを1トン生産するのに,原料P,Qをそれぞれ4トン,9トン必要とし,製品Bについてもそれぞれ8トン,6トン必要とする。また,製品A,Bの1トン当たりの利益は,それぞれ2万円,3万円である。
原料Pが40トン,Qが54トンしかないとき,製品A,Bの合計の利益が最大となる生産量を求めるための線形計画問題として,定式化したものはどれか。ここで,製品A,Bの生産量をそれぞれxトン,yトンとする。
原料Pが40トン,Qが54トンしかないとき,製品A,Bの合計の利益が最大となる生産量を求めるための線形計画問題として,定式化したものはどれか。ここで,製品A,Bの生産量をそれぞれxトン,yトンとする。
出典:平成24年春期 問75
- [出題歴]
- 初級シスアド H16春期 問73
- 初級シスアド H20秋期 問71
分類
ストラテジ系 » 企業活動 » 業務分析・データ利活用
正解
イ
解説
線形計画法は、1次式を満たす変数の値の中で式を最大化または最小化する値を求める方法です。在庫としてもつ原材料を使用して最大の利益を得るための販売量や、機械の稼働時間を最大限に生かして製造する製品など、限りある資源を最大限に活用したい場合にその組合せを得るために使用されます。
問題の条件を整理すると、
実際に「イ」の条件式を解くと次のようになります。
{4x+8y≦40 …①
{9x+6y≦54 …②
①の式を変形
4x+8y≦40
x+2y≦10
2y≦-x+10
y≦-1/2x+5 …③
基底解は、
0=-1/2x+5
1/2x=5
x=10 …(10,0)
y=-1/2×0+5
y=5 …(0,5)
②の式を変形
9x+6y≦54
3x+2y≦18
2y≦-3x+18
y≦-3/2x+9 …④
基底解は、
0=-3/2x+9
3/2x=9
x=6 …(6,0)
y=-3/2×0+9
y=9 …(0,9)
③と④の一次関数の直線が重なる点を求める。
-1/2x+5=-3/2x+9
-1/2x+3/2x=9-5
x=4 …⑤
③の式に⑤を代入してyを求める。
y=-1/2×4+5
y=-2+5
y=3
上記の制約条件下で最大化された解は、(0,5),(6,0),(4,3)の3つになり、それぞれを目的関数2x+3yに代入してみると、
(0,5)→2×0+3×5=15
(6,0)→2×6+3×0=12
(4,3)→2×4+3×3=17
値が最大となるx=4,y=3がこの問題の最適解で、得られる最大利益は17万円とわかります。
この制約条件と最適解をXY座標で表すと次のようになります。
問題の条件を整理すると、
- 製品A:1トン=P:4トン+Q:9トン
- 製品B:1トン=P:8トン+Q:6トン
- Pの在庫40トンをxトンの製品Aとyトンの製品Bの製造に割り当てる。
→4x+8y≦40 - Qの在庫54トンをxトンの製品Aとyトンの製品Bの製造に割り当てる。
→9x+6y≦54 - さらに、製品A,Bの利益は2万円,3万円で、計算で求められた条件下で利益を最大化したいので 2x+3y→最大化
実際に「イ」の条件式を解くと次のようになります。
{4x+8y≦40 …①
{9x+6y≦54 …②
①の式を変形
4x+8y≦40
x+2y≦10
2y≦-x+10
y≦-1/2x+5 …③
基底解は、
0=-1/2x+5
1/2x=5
x=10 …(10,0)
y=-1/2×0+5
y=5 …(0,5)
②の式を変形
9x+6y≦54
3x+2y≦18
2y≦-3x+18
y≦-3/2x+9 …④
基底解は、
0=-3/2x+9
3/2x=9
x=6 …(6,0)
y=-3/2×0+9
y=9 …(0,9)
③と④の一次関数の直線が重なる点を求める。
-1/2x+5=-3/2x+9
-1/2x+3/2x=9-5
x=4 …⑤
③の式に⑤を代入してyを求める。
y=-1/2×4+5
y=-2+5
y=3
上記の制約条件下で最大化された解は、(0,5),(6,0),(4,3)の3つになり、それぞれを目的関数2x+3yに代入してみると、
(0,5)→2×0+3×5=15
(6,0)→2×6+3×0=12
(4,3)→2×4+3×3=17
値が最大となるx=4,y=3がこの問題の最適解で、得られる最大利益は17万円とわかります。
この制約条件と最適解をXY座標で表すと次のようになります。