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基本情報技術者過去問題 平成26年春期 午後問7
⇄問題文と設問を画面2分割で開く⇱問題PDF問7 経営戦略・企業と法務
システム移行の作業計画に関する次の記述を読んで,設問1~3に答えよ。
A社の物流部では,物流費管理システムのバージョンアップを予定している。物流費管理システムは,ソフトウェアパッケージ(以下,パッケージソフトという)とA社用に開発されたアプリケーションソフトウェア(以下,開発ソフトという)から構成されている。このたび,パッケージソフト及び開発ソフトのバージョンアップ対応版が準備できたので,物流費管理システムのバージョンアップに関する作業計画を策定することになった。表1は,バージョンアップに必要な作業の一覧である。
A社の物流部では,物流費管理システムのバージョンアップを予定している。物流費管理システムは,ソフトウェアパッケージ(以下,パッケージソフトという)とA社用に開発されたアプリケーションソフトウェア(以下,開発ソフトという)から構成されている。このたび,パッケージソフト及び開発ソフトのバージョンアップ対応版が準備できたので,物流費管理システムのバージョンアップに関する作業計画を策定することになった。表1は,バージョンアップに必要な作業の一覧である。
設問1
バージョンアップのスケジュールに関する次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
物流部では,表1を基にアローダイアグラムを作成することにした。図1は,作成途中のアローダイアグラムである。 図1の作業途中のアローダイアグラムに不足しているのは,ノードaへの作業 No8 を表す矢線と,ノード 7 からbへのダミー作業を表す矢線である。
バージョンアップに必要な一連の作業の最短所要時間を計算すると,c時間となる。
物流部では,表1を基にアローダイアグラムを作成することにした。図1は,作成途中のアローダイアグラムである。 図1の作業途中のアローダイアグラムに不足しているのは,ノードaへの作業 No8 を表す矢線と,ノード 7 からbへのダミー作業を表す矢線である。
バージョンアップに必要な一連の作業の最短所要時間を計算すると,c時間となる。
a に関する解答群
- 5から6
- 5から7
- 6から8
- 6から9
b に関する解答群
- 8
- 9
- 10
- 8と9
- 8と10
- 9と10
c に関する解答群
- 9
- 10
- 13
- 14
- 19
解答選択欄
- a:
- b:
- c:
解答
- a=ア
- b=エ
- c=エ
解説
〔aについて〕
表1より作業No8と他の作業の関連性を確認すると、
〔bについて〕
ノード7は作業No9の終了点となっています。表1より作業No9が先行作業となっているのは作業No10・作業No11の2つですが、現在のアローダイアグラムでは作業No9が先行作業となることが表現されていないので、作業No11の開始点であるノード8、および作業No10の開始点であるノード9に向かってダミー作業を表す点線矢印を追加する必要があります。∴b=エ:8と9
〔cについて〕
表1をもとにアローダイアグラムに作業時間を書き入れると以下のようになります。開始点から終了点までの完了時間をそれぞれの経路で比較します。
∴c=エ:14
表1より作業No8と他の作業の関連性を確認すると、
- No4が先行作業である
- 作業No9の先行作業となっている
〔bについて〕
ノード7は作業No9の終了点となっています。表1より作業No9が先行作業となっているのは作業No10・作業No11の2つですが、現在のアローダイアグラムでは作業No9が先行作業となることが表現されていないので、作業No11の開始点であるノード8、および作業No10の開始点であるノード9に向かってダミー作業を表す点線矢印を追加する必要があります。∴b=エ:8と9
〔cについて〕
表1をもとにアローダイアグラムに作業時間を書き入れると以下のようになります。開始点から終了点までの完了時間をそれぞれの経路で比較します。
- [1→2→4→6→11→12→13]
1+1+1+1+1+1+3=9時間 - [1→2→4→8→9→11→12→13]
1+1+1+1+3+1+1+3=12時間 - [1→2→4→8→9→10→12→13]
1+1+1+1+3+1+2+3=13時間 - [1→2→3→7→9→11→12→13]
1+1+1+2+3+1+1+3=13時間 - [1→2→3→7→9→10→12→13]
1+1+1+2+3+2+1+3=14時間 - [1→2→3→5→10→12→13]
1+1+1+1+2+1+3=10時間
∴c=エ:14
設問2
物流部では,バージョンアップ作業に必要となる要員計画を策定することにした。要員計画に関する次の記述及び表中の に入れる適切な答えを,解答群の中から選べ。
物流部では,6時に作業 No1 を開始し,その後の作業は先行作業が全て完了した時点ですぐに開始できるように作業を配置した。表2に,作成した要員計画表の一部を示す。表2の"作業"の欄は,該当時刻に開始する作業を表している。
同じ開始時刻に複数の作業が表記されている場合は,それらの作業を並行して行うことを意味している。"必要人数"の欄は,その時間帯に必要となる要員数であり,同じ時間帯に複数の作業を行う場合は,それぞれの作業の要員数の合計である。 9~10 時の必要人数は12人であるが,eに開始するなど作業の時間帯を工夫することによって,全体の作業完了時刻を遅らせることなく,その時間帯の必要人数を減らすことができる。
物流部では,全体の作業完了時刻を遅らせることなく,かつ,時間帯ごとの必要人数を最少とするように,作業 No5,No6 及び No11 の開始時刻を見直した。その結果,一連の作業を行うのに必要な最少人数はf人となった。ここで,要員は全ての作業が行えるものとする。
物流部では,6時に作業 No1 を開始し,その後の作業は先行作業が全て完了した時点ですぐに開始できるように作業を配置した。表2に,作成した要員計画表の一部を示す。表2の"作業"の欄は,該当時刻に開始する作業を表している。
同じ開始時刻に複数の作業が表記されている場合は,それらの作業を並行して行うことを意味している。"必要人数"の欄は,その時間帯に必要となる要員数であり,同じ時間帯に複数の作業を行う場合は,それぞれの作業の要員数の合計である。 9~10 時の必要人数は12人であるが,eに開始するなど作業の時間帯を工夫することによって,全体の作業完了時刻を遅らせることなく,その時間帯の必要人数を減らすことができる。
物流部では,全体の作業完了時刻を遅らせることなく,かつ,時間帯ごとの必要人数を最少とするように,作業 No5,No6 及び No11 の開始時刻を見直した。その結果,一連の作業を行うのに必要な最少人数はf人となった。ここで,要員は全ての作業が行えるものとする。
d に関する解答群
e に関する解答群
- No5 を 10時
- No5 を 14時
- No6 を 7時
- No6 を 8時
f に関する解答群
- 4
- 6
- 7
- 8
- 9
- 10
解答選択欄
- d:
- e:
- f:
解答
- d=ウ
- e=ア
- f=ウ
解説
〔dについて〕
設問1にて完成したアローダイアグラムをもとに表2の要員計画表を埋めると以下のようになります。作業No7の終了後すぐに作業No9が3時間実施され、その完了を待って作業No10とNo11が同時に開始される流れになるため上の図のようになります。
∴d=ウ
〔eについて〕
9~10時には4つの作業が重なっていますが、No5とNo6の作業はクリティカルパス上にないため、開始時刻を遅らせることでその時間帯の必要人員を削減することが可能です。2つの作業を分析して移動可能な時間帯を特定します。
作業No5はクリティカルパス上のNo10の先行作業になっているので、作業全体の完了時刻を遅延させないためには、No10の開始時刻である14時までには完了している必要があります。つまり、13時までには開始しなければなりません。また先行作業であるNo3が終了するのは9時です。よって、No5の開始時刻として選択可能なのは9時から13時までの間に限られます。
作業No6の後続作業であるNo11はクリティカルパス上の作業ではありませんが、遅くとも15時には開始しなくてはなりませんので、No6は15時までには完了している必要があります。つまり、14時までには開始しなければなりません。また先行作業であるNo4が終了するのは9時です。よって、No6の開始時刻として選択可能なのは9時から14時までの間に限られます。
〔fについて〕
No5を10~11時、No6を14~15時に、さらにNo11を15時~16時の時間帯に移動することで全体の作業完了時刻に影響を与えることなく必要最少人員を7人に減少させることができます。∴f=ウ:7
設問1にて完成したアローダイアグラムをもとに表2の要員計画表を埋めると以下のようになります。作業No7の終了後すぐに作業No9が3時間実施され、その完了を待って作業No10とNo11が同時に開始される流れになるため上の図のようになります。
∴d=ウ
〔eについて〕
9~10時には4つの作業が重なっていますが、No5とNo6の作業はクリティカルパス上にないため、開始時刻を遅らせることでその時間帯の必要人員を削減することが可能です。2つの作業を分析して移動可能な時間帯を特定します。
作業No5はクリティカルパス上のNo10の先行作業になっているので、作業全体の完了時刻を遅延させないためには、No10の開始時刻である14時までには完了している必要があります。つまり、13時までには開始しなければなりません。また先行作業であるNo3が終了するのは9時です。よって、No5の開始時刻として選択可能なのは9時から13時までの間に限られます。
作業No6の後続作業であるNo11はクリティカルパス上の作業ではありませんが、遅くとも15時には開始しなくてはなりませんので、No6は15時までには完了している必要があります。つまり、14時までには開始しなければなりません。また先行作業であるNo4が終了するのは9時です。よって、No6の開始時刻として選択可能なのは9時から14時までの間に限られます。
- 正しい。9時から13時の範囲なので移動可能です。
- No5を14時に開始した場合、No10の開始が15時になり全体の完了時間に影響が出てしまうので誤りです。
- 7時時点では先行作業であるNo4が完了していないので、No6を開始することはできません。
- 8時時点では先行作業であるNo4が完了していないので、No6を開始することができません。
〔fについて〕
No5を10~11時、No6を14~15時に、さらにNo11を15時~16時の時間帯に移動することで全体の作業完了時刻に影響を与えることなく必要最少人員を7人に減少させることができます。∴f=ウ:7
設問3
物流部では,全体の作業完了時刻を早めたいと考えている。全体の作業完了時刻を 30 分早められる記述として正しい答えを,解答群の中から二つ選べ。
解答群
- No2 と No9 の作業時間を15分ずつ短縮する。
- No3 と No4 の作業時間を15分ずつ短縮する。
- No5 と No6 の作業時間を15分ずつ短縮する。
- No10 と No11 の作業時間を15分ずつ短縮する。
- No12 と No13 の作業時間を15分ずつ短縮する。
解答選択欄
解答
- ア
- オ
解説
作業全体の完了時刻を早めるためにはクリティカルパス上の作業時間を短縮する必要があります。
クリティカルパスは 1→2→3→7→9→10→12→13 なので、短縮する2つの作業が共にクリティカルパス上の作業である施策が正解となります。
クリティカルパスは 1→2→3→7→9→10→12→13 なので、短縮する2つの作業が共にクリティカルパス上の作業である施策が正解となります。
- 正しい。No2、No9と共にクリティカルパス上の作業なので30分短縮することが可能です。
- No3はクリティカルパス上の作業ですが、No4は違うため15分の短縮に留まります。
- No5、No6は共にクリティカルパス上の作業ではないため全体の完了時間は変わりません。
- No10はクリティカルパス上の作業ですが、No11は違うため15分の短縮に留まります。
- 正しい。No12、No13と共にクリティカルパス上の作業なので30分短縮することが可能です。