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基本情報技術者過去問題 平成30年秋期 午後問6
⇄問題文と設問を画面2分割で開く⇱問題PDF問6 プロジェクトマネジメント
プロジェクトのスケジュール作成に関する次の記述を読んで,設問1,2に答えよ。
W社は,業務効率化を目的として,紙のりん議書を回付して行っている申請承認に関わる業務を電子化するプロジェクト(以下,りん議書電子化プロジェクトという)を立ち上げた。
〔りん議書電子化プロジェクトの概要〕
りん議書電子化プロジェクトでは,紙のりん議書を電子帳票化するシステム(以下,電子帳票システムという)を,W社の情報システム部が新規に開発する。電子帳票化されたりん議書の回付(以下,りん議書回付という)には,クラウドサービスプロバイダが提供している回付業務のクラウドサービス(以下,回付サービスという)を,比較検討の上,導入して利用する。
W社は,業務効率化を目的として,紙のりん議書を回付して行っている申請承認に関わる業務を電子化するプロジェクト(以下,りん議書電子化プロジェクトという)を立ち上げた。
〔りん議書電子化プロジェクトの概要〕
りん議書電子化プロジェクトでは,紙のりん議書を電子帳票化するシステム(以下,電子帳票システムという)を,W社の情報システム部が新規に開発する。電子帳票化されたりん議書の回付(以下,りん議書回付という)には,クラウドサービスプロバイダが提供している回付業務のクラウドサービス(以下,回付サービスという)を,比較検討の上,導入して利用する。
設問1
次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
プロジェクトマネージャのQ君は,りん議書電子化プロジェクトのスケジュールを,アローダイアグラムを用いて作成することにした。
アローダイアグラムの例を,図1に示す。 図1のクリティカルパスはaであり,全ての作業を完了するために必要な所要日数(以下,総所要日数という)はb日である。また,作業Jについて,最早開始日と最遅開始日はcであり,余裕日数はd日である。ここで,結合点1から始まる作業の開始日は0日とする。また,余裕日数とは,当該作業に先行する作業が遅れなしに完了したとき,総所要日数を増加させることなく,当該作業が遅れてもよい日数である。
プロジェクトマネージャのQ君は,りん議書電子化プロジェクトのスケジュールを,アローダイアグラムを用いて作成することにした。
アローダイアグラムの例を,図1に示す。 図1のクリティカルパスはaであり,全ての作業を完了するために必要な所要日数(以下,総所要日数という)はb日である。また,作業Jについて,最早開始日と最遅開始日はcであり,余裕日数はd日である。ここで,結合点1から始まる作業の開始日は0日とする。また,余裕日数とは,当該作業に先行する作業が遅れなしに完了したとき,総所要日数を増加させることなく,当該作業が遅れてもよい日数である。
a に関する解答群
b に関する解答群
- 9
- 10
- 11
- 12
- 13
c に関する解答群
- 4日と7日
- 4日と8日
- 5日と8日
- 5日と9日
- 7日と10日
- 7日と11日
d に関する解答群
- 0
- 1
- 2
- 3
- 4
解答選択欄
- a:
- b:
- c:
- d:
解答
- a=ウ
- b=エ
- c=オ
- d=エ
解説
〔a,bについて〕
クリティカルパスとは、最も総所要日数が長くなるパスです。
図1には全部で10個のパスが存在しますが、ここでは選択肢にある6つのパスに絞って考えます。※ダミー作業(破線矢印)は所要日数0日の作業としてカウントしています。
∴a=ウ:B→C→G→I→K
b=エ:12
〔cについて〕
まずは、最早開始日と最遅開始日の意味について確認しておきましょう。
結合点6に至るパスには次の6種類があります。
※問題文に「開始日は0日とする」とあります。
次に最遅開始日について考えます。プロジェクト全体の総所要日数が12日間、作業Jの所要日数は2日間ですから、総所要日数に影響を与えないためには遅くとも10日目には作業Jを開始しなければなりません。よって最遅開始日は10日です。
したがって、最早開始日は7日、最遅開始日は10日というのが適切な組合せです。
∴c=オ:7日と10日
〔dについて〕
問題文では「余裕日数とは、当該作業に先行する作業が遅れなしに完了したとき,総所要日数を増加させることなく,当該作業が遅れてもよい日数である」と説明されています。難しく説明していますが、要するに「最早開始日と最遅開始日の差」のことです。
したがって余裕日数は、
10日-7日=3日
∴d=エ:3
クリティカルパスとは、最も総所要日数が長くなるパスです。
図1には全部で10個のパスが存在しますが、ここでは選択肢にある6つのパスに絞って考えます。※ダミー作業(破線矢印)は所要日数0日の作業としてカウントしています。
- [A→C→G→I→K]
1+3+2+2+3=11日 - [A→D→I→K]
1+4+2+3=10日 - [B→C→G→I→K]
2+0(ダミー作業)+3+2+2+3=12日 - [B→C→H]
2+0(ダミー作業)+3+5=10日 - [B→D→I→K]
2+0(ダミー作業)+4+2+3=11日 - [B→F→I→K]
2+2+0(ダミー作業)+2+3=9日
∴a=ウ:B→C→G→I→K
b=エ:12
〔cについて〕
まずは、最早開始日と最遅開始日の意味について確認しておきましょう。
- 最早開始日
- 先行作業が全て完了した後、当該作業を最も早く開始できる日。
- 最遅開始日
- プロジェクト全体の総所要日数に影響を与えない範囲で、当該作業を最も遅く開始できる日。
結合点6に至るパスには次の6種類があります。
- A→C→G
- 1+3+2=6日
- A→D
- 1+4=5日
- A→E→(ダミー作業)
- 1+2+0=3日
- B→(ダミー作業)→C→G
- 2+0+3+2=7日
- B→(ダミー作業)→D
- 2+0+4=6日
- B→F→(ダミー作業)
- 2+2+0=4日
※問題文に「開始日は0日とする」とあります。
次に最遅開始日について考えます。プロジェクト全体の総所要日数が12日間、作業Jの所要日数は2日間ですから、総所要日数に影響を与えないためには遅くとも10日目には作業Jを開始しなければなりません。よって最遅開始日は10日です。
したがって、最早開始日は7日、最遅開始日は10日というのが適切な組合せです。
∴c=オ:7日と10日
〔dについて〕
問題文では「余裕日数とは、当該作業に先行する作業が遅れなしに完了したとき,総所要日数を増加させることなく,当該作業が遅れてもよい日数である」と説明されています。難しく説明していますが、要するに「最早開始日と最遅開始日の差」のことです。
したがって余裕日数は、
10日-7日=3日
∴d=エ:3
設問2
次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
Q君は,りん議書電子化プロジェクトのスケジュール作成に当たり,プロジェクトで実施する作業を,表1に示す作業一覧表にまとめ,作業の流れを整理中である。作成途中のアローダイアグラムを,図2に示す。 作成途中のアローダイアグラムには,二つのダミー作業が欠けている。りん議書電子化プロジェクトのスケジュールを正しく表現するためには,eとfにダミー作業を追加する必要がある。
ダミー作業追加後のアローダイアグラムにおいて,りん議書電子化プロジェクトの総所要日数は,g日である。
Q君は,りん議書電子化プロジェクトのスケジュール作成に当たり,プロジェクトで実施する作業を,表1に示す作業一覧表にまとめ,作業の流れを整理中である。作成途中のアローダイアグラムを,図2に示す。 作成途中のアローダイアグラムには,二つのダミー作業が欠けている。りん議書電子化プロジェクトのスケジュールを正しく表現するためには,eとfにダミー作業を追加する必要がある。
ダミー作業追加後のアローダイアグラムにおいて,りん議書電子化プロジェクトの総所要日数は,g日である。
e,f に関する解答群
- 結合点2から結合点9
- 結合点3から結合点9
- 結合点4から結合点5
- 結合点4から結合点6
- 結合点6から結合点7
- 結合点6から結合点8
- 結合点6から結合点12
- 結合点7から結合点9
g に関する解答群
- 160
- 170
- 180
- 190
- 200
- 210
解答選択欄
- e:
- f:
- g:
解答
- e=ウ
- f=ク
- g=オ
解説
〔e,fについて〕
解き方としては、表1「作業一覧表」の作業内容と図2のアローダイアグラムを照らし合わせて不足している前後関係を見つけていきます。
作業内容をよく読むと、次の2つの部分がヒントになっていることがわかります。まず1つ目です。作業Eを開始するためには外部設計(作業I)が完了していなければなりませんが、図2ではこの前後関係が表現されていません。したがって、作業Iの完了点である結合点7から、作業Eの開始点である結合点9に向けたダミー作業を記述する必要があります。
次に2つ目です。上記と同じく、作業Gを開始するためにはシステム要件定義(作業C)が完了していなければなりませんが、図2にはありません。したがって、作業Cの完了点である結合点4から、作業Gの開始点である結合点5に向けたダミー作業を記述する必要があります。∴e、f=ウ:結合点4から結合点5、ク:結合点7から結合点9(順不同)
〔gについて〕
図2の全5つのパスを検証して総所要日数を求めます。ここで解説を簡略化するために、どのパスにも共通している作業ABを50日、作業LMNを50日とまとめて考えます。
∴g=オ:200
解き方としては、表1「作業一覧表」の作業内容と図2のアローダイアグラムを照らし合わせて不足している前後関係を見つけていきます。
作業内容をよく読むと、次の2つの部分がヒントになっていることがわかります。まず1つ目です。作業Eを開始するためには外部設計(作業I)が完了していなければなりませんが、図2ではこの前後関係が表現されていません。したがって、作業Iの完了点である結合点7から、作業Eの開始点である結合点9に向けたダミー作業を記述する必要があります。
次に2つ目です。上記と同じく、作業Gを開始するためにはシステム要件定義(作業C)が完了していなければなりませんが、図2にはありません。したがって、作業Cの完了点である結合点4から、作業Gの開始点である結合点5に向けたダミー作業を記述する必要があります。∴e、f=ウ:結合点4から結合点5、ク:結合点7から結合点9(順不同)
〔gについて〕
図2の全5つのパスを検証して総所要日数を求めます。ここで解説を簡略化するために、どのパスにも共通している作業ABを50日、作業LMNを50日とまとめて考えます。
- AB→C→D→E→LMN
- 50+20+30+30+50=180日
- AB→C→I→(7-9のダミー作業)→E→LMN
- 50+20+20+0+30+50=170日
- AB→C→I→J→K→LMN
- 50+20+20+20+30+50=190日
- AB→C→(4-5のダミー作業)→G→H→LMN
- 50+20+0+40+40+50=200日
- AB→F→G→H→LMN
- 50+10+40+40+50=190日
∴g=オ:200