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基本情報技術者過去問題 平成24年春期 午後問6
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設計工程での進捗管理に関する次の記述を読んで,設問1~3に答えよ。
チームXは,あるシステム開発プロジェクトにおけるユーザインタフェース設計(以下,UI 設計という)を担当している。このプロジェクトでは,週単位でプロジェクトの進捗状況を把握し,計画値と実績値の比較分析によって,スケジュール遅延などに早期対応を行っている。
〔設計工程での進捗管理の説明〕
チームXは,あるシステム開発プロジェクトにおけるユーザインタフェース設計(以下,UI 設計という)を担当している。このプロジェクトでは,週単位でプロジェクトの進捗状況を把握し,計画値と実績値の比較分析によって,スケジュール遅延などに早期対応を行っている。
〔設計工程での進捗管理の説明〕
- 就業規則は,次のとおりである。
- 1日の勤務時間は8時間である。
- 週のうちで勤務が認められている日は,月曜日から金曜日までの5日間である。土曜日と日曜日は休日であり,勤務は禁止されている。
- 設計工程の開始前に,各メンバーの UI 設計に要する工数を見積もり,設計工程の各週に分配する。分配した工数を計画工数といい,単位は時間である。
- 週単位で進捗状況を把握するための指標の一つとして,計画進捗率を用いる。計画進捗率は,次の計算式で求め,小数第2位を四捨五入する。 "計画工数の累積"とは,計画工数を設計の開始時点からその週まで累積した値である。
- チームXのメンバーはA,B,C,Dの4名であり,メンバー別の設計分担,計画工数及び計画進捗率は表1のとおりである。
- 設計工程の期間は3週間であり,現在,第2週が終了したところである。
- 設計工程での第1週及び第2週における,各メンバーが実際に作業した時間数(以下,実績工数という)は,表2のとおりである。第1週では,他業務の都合で実績工数が計画工数と異なるメンバーがいたが,第2週は全メンバーが 計画工数どおりの工数を UI 設計に充てた。
- "計画工数の総合計"は,表1の右端の欄の値に等しい。
- "実績工数の累積"は,各週末時点で,各週の実績工数をその週まで累積した値である。
- 残り工数は,各週末時点で,各メンバーの今後の作業に要する工数を見積もりし直したものである。
設問1
次の計算式による指標を実績進捗率といい,各週末時点で算出する。ここで,実績進捗率は,小数第2位を四捨五入した値である。計画進捗率と実績進捗率との対比によるチームXの進捗判定に関する次の記述中の に入れる適切な答えを,解答群の中から選べ。 実績進捗率と計画進捗率が等しい場合は,計画どおりの進捗であり,実績進捗率が上回っている場合は,計画よりも進んでいる状況である。いずれの場合も,設計工程の進捗に問題がないと判定する。一方,実績進捗率が計画進捗率を下回っている場合は,スケジュール遅延などの問題が懸念される。
第1週の週末時点では,UI 設計作業に着手しているメンバーの中で,実績進捗率が計画進捗率を下回っているメンバーはa。 第2週の週末時点では,bの2名であり,メンバー個別に判定した場合には,やや進捗遅れの懸念がある。次に,表2の最下行にある合計値によるチームX全体の実績進捗率を用いて,cと判定した。
第1週の週末時点では,UI 設計作業に着手しているメンバーの中で,実績進捗率が計画進捗率を下回っているメンバーはa。 第2週の週末時点では,bの2名であり,メンバー個別に判定した場合には,やや進捗遅れの懸念がある。次に,表2の最下行にある合計値によるチームX全体の実績進捗率を用いて,cと判定した。
a に関する解答群
- Bである
- Cである
- Dである
- いない
b に関する解答群
- AとB
- AとC
- AとD
- BとC
- BとD
- CとD
c に関する解答群
- 週ごとに実績進捗率が計画進捗率を下回る傾向にあり,このままではスケジュール遅延が生じる
- 実績進捗率が,第1週の週末時点では計画進捗率と同じであり,第2週の週末時点では 計画進捗率を上回っており,チームX全体では進捗に問題はない
- 実績進捗率が,第1週の週末時点では計画進捗率と同じであるが,第2週の週末時点では 計画進捗率を下回っており,このままではスケジュール遅延が懸念される
- 実績進捗率が,第1週の週末時点は計画進捗率を下回っているが,第2週の週末時点では 計画進捗率を上回っており,チームX全体では進捗が回復しているので問題はない
解答選択欄
- a:
- b:
- c:
解答
- a=ウ
- b=カ
- c=イ
解説
〔aについて〕
第1週の週末時点での各メンバーの計画進捗率・実績進捗率は、それぞれを求める式を使って次のように計算します。[メンバーA]
計画進捗率:0/50×100=0
実績進捗率:0/(0+50)×100=0
[メンバーB]
計画進捗率:20/100×100=20
実績進捗率:25/(25+75)×100=25
[メンバーC]
計画進捗率:20/100×100=20
実績進捗率:20/(20+80)×100=20
[メンバーD]
計画進捗率:20/100×100=20
実績進捗率:15/(15+85)×100=15
"実績進捗率<計画進捗率"となっているメンバーはDのみです。
∴a=ウ:Dである
〔bについて〕
上記と同様に第2週の週末時点での各メンバーの計画進捗率・実績進捗率は以下のように計算します。[メンバーA]
計画進捗率:25/50×100=50
実績進捗率:25/(25+20)×100=55.6
[メンバーB]
計画進捗率:60/100×100=60
実績進捗率:65/(65+35)×100=65
[メンバーC]
計画進捗率:60/100×100=60
実績進捗率:60/(60+45)×100=57.1
[メンバーD]
計画進捗率:60/100×100=60
実績進捗率:55/(55+40)×100=57.9
"実績進捗率<計画進捗率"となっているメンバーはCとDです。
∴b=カ:CとD
〔cについて〕
各週の週末時点でのチームXの進捗率についても同様の方法で計算します。[第1週]
計画進捗率:60/350×100=17.1
実績進捗率:60/(60+290)×100=17.1
[第2週]
計画進捗率:205/350×100=58.6
実績進捗率:205/(205+140)×100=59.4
第1週の週末時点では同じ進捗率、第2週の週末時点では"実績進捗率>計画進捗率"のため「イ」の記述が適切です。
∴c=イ
第1週の週末時点での各メンバーの計画進捗率・実績進捗率は、それぞれを求める式を使って次のように計算します。[メンバーA]
計画進捗率:0/50×100=0
実績進捗率:0/(0+50)×100=0
[メンバーB]
計画進捗率:20/100×100=20
実績進捗率:25/(25+75)×100=25
[メンバーC]
計画進捗率:20/100×100=20
実績進捗率:20/(20+80)×100=20
[メンバーD]
計画進捗率:20/100×100=20
実績進捗率:15/(15+85)×100=15
"実績進捗率<計画進捗率"となっているメンバーはDのみです。
∴a=ウ:Dである
〔bについて〕
上記と同様に第2週の週末時点での各メンバーの計画進捗率・実績進捗率は以下のように計算します。[メンバーA]
計画進捗率:25/50×100=50
実績進捗率:25/(25+20)×100=55.6
[メンバーB]
計画進捗率:60/100×100=60
実績進捗率:65/(65+35)×100=65
[メンバーC]
計画進捗率:60/100×100=60
実績進捗率:60/(60+45)×100=57.1
[メンバーD]
計画進捗率:60/100×100=60
実績進捗率:55/(55+40)×100=57.9
"実績進捗率<計画進捗率"となっているメンバーはCとDです。
∴b=カ:CとD
〔cについて〕
各週の週末時点でのチームXの進捗率についても同様の方法で計算します。[第1週]
計画進捗率:60/350×100=17.1
実績進捗率:60/(60+290)×100=17.1
[第2週]
計画進捗率:205/350×100=58.6
実績進捗率:205/(205+140)×100=59.4
第1週の週末時点では同じ進捗率、第2週の週末時点では"実績進捗率>計画進捗率"のため「イ」の記述が適切です。
∴c=イ
設問2
次の計算式による指標を計画実績工数比といい,各週末時点で算出する。ここで,計画実績工数比は,小数第3位を四捨五入した値である。計画実績工数比を用いた今後のスケジュール分析に関する次の記述中の に入れる適切な答えを,解答群の中から選べ。 計画実績工数比は,プロジェクトメンバーの増減がないとすると,今後のスケジュールの予測に利用できる。計画実績正数比が 1.00 の場合は,今後も計画どおりのスケジュールで進捗可能と判定できる。1.00 よりも小さい場合は,スケジュール遅延の懸念はないと判定できる。1.00 よりも大きい場合は,今後のスケジュールに遅延が生じる可能性があると判定できる。
チームX全体の計画実績工数比は,第1週及び第2週の週末時点のそれぞれの値がdであり,チームX全体では計画した期間内に設計工程を終えることが可能であると判定した。次に,メンバー個別の計画実績工数比を週ごとに比較してみると,第2週の週末時点の値が第1週の週末時点の値よりも増加しているメンバーe名については,スケジュール遅延が懸念されると判定した。
チームX全体の計画実績工数比は,第1週及び第2週の週末時点のそれぞれの値がdであり,チームX全体では計画した期間内に設計工程を終えることが可能であると判定した。次に,メンバー個別の計画実績工数比を週ごとに比較してみると,第2週の週末時点の値が第1週の週末時点の値よりも増加しているメンバーe名については,スケジュール遅延が懸念されると判定した。
d に関する解答群
- 0.99 及び 0.95
- 0.99 及び 1.00
- 1.00 及び 0.99
- 1.00 及び 1.00
- 1.01 及び 0.99
- 1.01 及び 1.00
e に関する解答群
- 1
- 2
- 3
解答選択欄
- d:
- e:
解答
- d=ウ
- e=ア
解説
〔dについて〕
設問の式に従って計画実績工数比を算出します。[第1週]
計画工数の総合計:350
実績工数の累積:60
残り工数:290
計画実績工数比=(60+290)/350=1.00
[第1週]
計画工数の総合計:350
実績工数の累積:205
残り工数:140
計画実績工数比=(205+140)/350=0.985…→(小数第3位を四捨五入)→0.99
したがって計画実績工数比は第1週"1.00"、第2週"0.99"が正解です。
∴d=ウ:1.00 及び 0.99
〔eについて〕
各メンバーの計画実績工数比も上記と同様の方法で計算します。
[メンバーA]
第1週:(0+50)/50×100=1.00
第2週:(25+20)/50×100=0.90
[メンバーB]
第1週:(25+75)/100×100=1.00
第2週:(65+35)/100×100=1.00
[メンバーC]
第1週:(20+80)/100×100=1.00
第2週:(60+45)/100×100=1.05
[メンバーD]
第1週:(15+85)/100×100=1.00
第2週:(55+40)/100×100=0.95
スケジュールに遅延が生じる可能性のあると判定されるのは計画実績工数比が1.00より大きい場合なので、4人のメンバーの中でCのみが該当します。
∴e=ア:1人
設問の式に従って計画実績工数比を算出します。[第1週]
計画工数の総合計:350
実績工数の累積:60
残り工数:290
計画実績工数比=(60+290)/350=1.00
[第1週]
計画工数の総合計:350
実績工数の累積:205
残り工数:140
計画実績工数比=(205+140)/350=0.985…→(小数第3位を四捨五入)→0.99
したがって計画実績工数比は第1週"1.00"、第2週"0.99"が正解です。
∴d=ウ:1.00 及び 0.99
〔eについて〕
各メンバーの計画実績工数比も上記と同様の方法で計算します。
[メンバーA]
第1週:(0+50)/50×100=1.00
第2週:(25+20)/50×100=0.90
[メンバーB]
第1週:(25+75)/100×100=1.00
第2週:(65+35)/100×100=1.00
[メンバーC]
第1週:(20+80)/100×100=1.00
第2週:(60+45)/100×100=1.05
[メンバーD]
第1週:(15+85)/100×100=1.00
第2週:(55+40)/100×100=0.95
スケジュールに遅延が生じる可能性のあると判定されるのは計画実績工数比が1.00より大きい場合なので、4人のメンバーの中でCのみが該当します。
∴e=ア:1人
設問3
次の文は,スケジュール遅延の懸念に対する解決策について記述したものである。次の記述中の に入れる適切な答えを,解答群の中から選べ。
第2週の週末時点での残り工数が第3週の計画工数を下回っているメンバーのうち,その時点での実績進捗率が最も高いfに,スケジュール遅延の懸念があるメンバーの UI 設計の一部を分担させることによって,スケジュール遅延を回避し,計画した期間内に全メンバーの UI 設計を完了させることにした。
第2週の週末時点での残り工数が第3週の計画工数を下回っているメンバーのうち,その時点での実績進捗率が最も高いfに,スケジュール遅延の懸念があるメンバーの UI 設計の一部を分担させることによって,スケジュール遅延を回避し,計画した期間内に全メンバーの UI 設計を完了させることにした。
f に関する解答群
- A
- B
- C
- D
解答選択欄
- f:
解答
- f=イ
解説
表1の第3週の計画工数と、表2の第2週の週末時点での残り工数を比較して、"計画工数>残り工数"となっているのは AとB の2人です。
さらに2人の実績進捗率を比較すると、
[メンバーA] 25/(25+20)=55.6
[メンバーB] 65/(65+35)=65
とメンバーBの方が高いため、fにはメンバーBが入ることになります。
∴f=イ:B
さらに2人の実績進捗率を比較すると、
[メンバーA] 25/(25+20)=55.6
[メンバーB] 65/(65+35)=65
とメンバーBの方が高いため、fにはメンバーBが入ることになります。
∴f=イ:B